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今月の一冊

今月の一冊子どもの頃から本が好きで、暇さえあれば読んできました。
毎月一冊、これまでの読書の中で印象に残った本をご紹介させていただきます。


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『 ぞうきん1枚で人生が輝くそうじ力 』 船越 耕太 著

ぞうきん1枚で人生が輝くそうじ力

ぞうきん1枚で、とある企業の売り上げを150%にした話題の男。仕事、家庭、人間関係、すべてがうまく回り出す!ポイントは、「誰もやりたがらない場所」を、「誰も見ていないとき」に、「誰もやらない方法」で磨くこと…と内容紹介されています。

図書館で何気なく手にして、借りた本です。道具や洗剤をたくさん使わないシンプルな掃除の仕方が知りたくて読み始めたところ、びっくりしました。もちろん、最後の方で掃除法が場所別に丁寧に紹介されていますが、この本には“生き方”そのものを動かす力があるようです。一気に読み、何度も読み返したいので購入しました。

心のブロックを外し、潜在意識を変えて、それぞれの人が、その人らしく生きやすくなる力が掃除にはあるとか。読み終えて直ぐに、浴室の排水口を掃除しました。(^^;ちょっと、掃除が楽しみになってきました。

こういう本が苦手な方もいらっしゃるかと思います。どなたにもというわけではありませんが、暮らし方を変えたい、自分を変えたい方にはお薦めの一冊です。

2016年3月 大和書房 1,540円

『 いのちの文化史 』 立川 昭二 著

いのちの文化史

「いのちの大切さ」がいわれる今日、「生命観」も大切であるが、「いのち観」さらには「いのち感」がより大切なのではないだろうか。「いのち」をふかぶかと感じとる感性は、なにより人の生老病死にふれることによって体得される。人の生老病死は「文化」であるから、「いのち」は「文化」として感受することができる。ここでは日本人の生老病死のいくつかの情景にふれ、「いのち」を感受するきっかけとしたい…と著者が紹介しています。

医療史、とくに文化史・心性史の視座から病や老いや死を追究された立川先生が、子どもは「授かりもの」の考え方、江戸人の目ざした「いい老人」、武士の介護休暇「看病断」や、江戸時代にあった、地域の人々が支え合う健康保険の原型のような「定礼医」、一昔前の病人と看護婦の意外なあり方等を、漱石、鴎外、向田邦子、江藤淳などの文章や新聞の歌壇に投稿された和歌なども紹介しながら分かりやすく著しておられます。

かつての日本人の人間味あふれるというか、温かくも悲しく、深みのある「いのち」感が伝わってくるお薦めの一冊です。残念ながら絶版になっていますので、図書館か古書店をご利用ください。

2000年2月 新潮選書 1,200円

『 天、共に在り アフガニスタン30年の闘い 』 中村 哲 著

天、共に在り アフガニスタン30年の闘い

困っている人がいたら手を差し伸べる――それは普通のことです。

1984年よりパキスタン、アフガニスタンで支援活動を続ける医師・中村哲。治療のために現地へ赴いた日本人の医者が、なぜ1600本もの井戸を掘り、25.5キロにもおよぶ用水路を拓くに至ったのか?「天」(自然)と「縁」(人間)をキーワードに、その数奇な半生をつづった著者初の自伝…と紹介されています。

惜しくも、2019年12月にアフガニスタンで亡くなられた中村先生の著書です。

“はじめに” に書かれていた

「様々な人や出来事との出会い、そしてそれに自分がどう応えるかで、行く末が定められてゆきます。私たち個人のどんな小さな出来事も、時と場所を超えて縦横無尽、有機的に結ばれています。そして、そこに人の意志を超えた神聖なものを感ぜざるを得ません。この広大な縁(えにし)の世界で、誰であっても、無意味な生命や人生は、決してありません。私たちに分からないだけです。この事実が知って欲しいことの一つです。

現地三十年の体験を通して言えることは、私たちが己の分限を知り、誠実である限り、天の恵みと人のまごころは信頼に足るということです。

人の陥りやすい人為の世界観を超え、人に与えられた共通の恵みを嗅ぎとり、この不安と暴力が支配する世界で、本当に私たちに必要なものは何か、不要なものは何かを知り、確かなものに近づく縁(よすが)にしていただければ、これに過ぎる喜びはありません」

という文章が強く印象に残っています。

第一部から、第四部まで、どのページも読み応えがありましたが、“終章 日本の人々へ”にあった

「人も自然の一部である。それは人間内部にあって生命の営みを律する厳然たる摂理であり、恵みである。科学や経済、医学や農業、あらゆる人の営みが、自然と人、人と人の和解を探る以外、我々が生き延びる道はないであろう。それがまっとうな文明だと信じている。その声は今小さくとも、やがて現在が裁かれ、大きな潮流とならざるを得ないだろう。

これが、三十年間の現地活動を通して得た平凡な結論とメッセージである」

という文章も忘れることができません。

現地の暮らしの厳しさや、日本で報道されたアフガンの戦争と現実の姿の違いに衝撃を受けました。戦争と平和、人を信頼するということ、自然との共存など、中村先生が遺してくださったメッセージに圧倒されました。私たちの現在と未来を考える時、是非、手に取りたい大事な一冊です。

2013年10月 NHK出版 1,760円

『 教科書には書かれていない江戸時代 』 山本 博文 著

教科書には書かれていない江戸時代

武士はなぜ腹を切るのか?赤穂浪士の討入りは主君のためだけではない!参勤交代は超高速が当たり前?薬の値段はどれくらい?学問は個人の出世のためではなかった!ドラマや小説ではわからない江戸時代の真相!…と内容紹介されています。

江戸時代の武士と町人たちの実像を、当時の文書(もんじょ)から蘇らせ、人々が幕藩体制という社会制度のもと、どのように暮らし、どのような課題を抱えていたかを、昨年惜しくも逝去された山本博文先生が、長年の研究に基づいて、わかりやすく著された本です。様々なドラマや小説などで描かれる江戸時代像と真相のずれを指摘し、その背景にあった事柄が解説されています。

『江戸お留守居役の日記』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞されておられた山本先生の味わい深く、読みやすい文章も印象に残りました。江戸時代の素顔を楽しく学ぶことができるお薦めの一冊です。

2018年8月 東京書籍 1,540円

『 江戸暦 江戸暮らし 』 木村 吉隆 聞き書き:藤井恵子 写真:鈴木俊介

江戸暦 江戸暮らし

「江戸の縁起物」好評第2弾! 浅草仲見世助六のおもちゃで見せる、江戸の年中行事。 あなたも江戸の町へタイムスリップしてみよう! 浅草寺の表参道、仲見世通りで江戸末期、慶応2年(1866年)に創業した江戸趣味小玩具の店「助六」。 助六の風俗人形に屋台のおもちゃは、江戸の風俗をそのまま伝える、生きたジオラマ資料だ。 七福神めぐり、お花見、三社祭り、芝居見物、相撲に落語。 どこからか棒振りや角付け芸人の声が聞こえる。 本書はその玩具を写真とともに紹介。 全点英訳付き…と内容紹介されています。

以前、ご紹介した『江戸の縁起物』の第2弾。江戸の町の四季が、助六さんのかわいいおもちゃの写真と、五代目のご主人の粋な語り口で紹介されています。ページを開くと江戸の風が吹き、楽し気な笑い声や鳥のさえずりも聞こえてきそうな感じがします。最後の章の「助六職人噺」も、またよくて、この本がとても好きです。

読むというか、眺めるだけでも、ほっこりするお薦めの一冊です。

2013年12月 亜紀書房 2,530円

『 人生で起きること すべて良きこと:逆境を越える「こころの技法」 』 田坂 広志 著

人生で起きること すべて良きこと: 逆境を越える「こころの技法」

人生において苦労や困難、失敗や敗北、挫折や喪失といった「逆境」に直面したとき、我々は気が動転して、逆境を乗り越える、そのことよりも、「なぜ、こんなことに…」といった過去への後悔、「これから、どうなってしまうのだろう…」といった未来の不安に、心のエネルギーの大半を使ってしまうことがある。

しかし、その出来事が起こった「意味」に耳をすませ、「人生で起こること、すべて良きこと」との思いを定めると、逆境に正対する力が湧き、道は必ず、拓ける。そして、自分の人生にとって大切な何かを学ぶことができる――著者は自身の逆境体験を振り返って、言う。

本書では、「生死の境の体験」をはじめ実体験から掴んだ、「逆境を越える『こころの技法』」を、著者が質問者との対話の中で、ていねいに語る。そして、人生の岐路において気づきを得る「50の言葉」を示す。最も肯定的な「逆境観」と「解釈力」、そして「生命力」を掴む一冊…と内容紹介されています。

心穏やかに生きる「技法」が一つ一つ、説明されています。「人生で起きること すべて良きこと」というタイトルだけでも、何か目が開かれる感じがしました。生き方を見直す機会をくれるお薦めの一冊です。

2015年7月 PHP研究所 Kindle 版 1,000円