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今月の一冊

今月の一冊子どもの頃から本が好きで、暇さえあれば読んできました。
毎月一冊、これまでの読書の中で印象に残った本をご紹介させていただきます。


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『 否定しない習慣 』  林 健太郎 著
否定しない習慣

いつも「いい人間関係」の人がやっている否定しない習慣。「否定」をやめるだけで仕事・人間関係は9割うまくいく。相手のことを否定しない―。「褒める」よりも、「肯定する」よりも効果的な人間関係を劇的に変える方法です…と紹介されています。

プロのコーチとして活躍されている林氏がご自身の経験から、子ども・家族・恋人・友人・同僚・部下などとの関係での否定しないことの重要さを説き、否定しない習慣を身につける方法を書かれています。

頭ごなしに否定するだけでなく、無意識にしてしまいがちな下記のようなことも「否定」であると指摘し、具体的な対処法などが示されていました。

  • 相手の言葉や考え、行動の結果を認めない
  • 相手の話や意見を打ち消す、聞かない、奪って違う話をする
  • 相手のミス・失敗を責める
  • 悩みの相談などに対して真剣に向き合わない

第1章 気づかないうちに否定する人の心理 
第2章 「否定しないマインド」のつくり方
第3章 否定しない技術
第4章 「否定しない自分」をつくる習慣
第5章 「いい人間関係」をつくる会話の技術

読んでみて、いかに自分がこれまで「否定する習慣」を続けてきたかを痛感しました。
読み返して、「否定しない習慣」を何とか身につけたいと思います。もっと早く出会いたかった、おすすめの一冊です。

2022年12月 フォレスト出版 1,650円(税込み)

『 姿勢がいい子はぐんぐん伸びる! 』  碓田 拓磨 著
姿勢がいい子はぐんぐん伸びる!

姿勢の悪さは子どもの体と心の健康に知らず知らずのうちに影響を及ぼしています。 でも「背中を伸ばしなさい! 」と言ってもなかなか治らないものとあきらめていませんか? ―略―「姿勢」という体の使い方が身につくと・集中力がついて、学習への効果大・体力、運動能力がアップ・自信がついて、自己肯定感が育つ・第一印象がぐんとよくなるなど、学習面、体力面、メンタル面で子どもの将来に関わるメリットがたくさん! もちろん大人にとっても「肩こりや腰痛の改善」「疲労解消」「ぽっこりお腹や背中のたるみが改善」など様々な効果が期待できます…と内容紹介されていました。

姿勢のたいせつさを、子どもさん自身が知り、自発的に体に良い姿勢をとれるようになるためのヒントがたくさんありました。わかりやすいマンガも添えられています。子どもたちだけでなく、大人の方々にも役に立つことが載っているおすすめの一冊です。

残念ながら、絶版になっていますので、図書館か古書店をご利用ください。(碓田先生の大人向けの本は多数出版されています。そちらも、おすすめです)

2018年8月 ナツメ社 1,300円+税

『 人は話し方が9割 』  永松 茂久 著
人は話し方が9割

「もう会話で悩まない!疲れない!オロオロしない!」――もっと話し方がうまければ、人生うまくいくのに……。「話すこと」にまつわる悩みを挙げるとキリがありません。本書でお伝えするのは、コミュニケーションの基本である会話がうまくいくようになる、ちょっとした、でも多くの人が気づいていないエッセンス。過去に会話で失敗したトラウマもあっさり消え去ってしまうほど、人と話すことがラクになり、人間関係も、人生も、全部がよりよい方向に動き出します!…と内容紹介されています。

発売から5周年、“令和イチ売れている会話の本”と帯に書かれていました。ベスト&ロングセラーで、もうお読みなった方も多いかもしれません。目次は下記のようになっています。

第1章 人生は「話し方」で9割決まる
第2章 「また会いたい」と思われる人の話し方
第3章 人に嫌われない話し方
第4章 人を動かす人の話し方

「話し方をちょっと変えるだけで、仕事もプライベートも大きく好転します」と書かれ、そのちょっとした変え方が、大きめの文字と図入りでわかりやすく説明されていました。
人間関係にも大きくかかわる「話し方」について親切に書かれた、おすすめの一冊です。

2019年9月 すばる舎 1,540円(税込み)

『 続ける脳 最新科学で分かった!必ず結果を出す方法 』 茂木健一郎 著
続ける脳 最新科学で分かった!必ず結果を出す方法

「才能、学歴、IQよりも、人生の成功を左右する」として世界中で注目されている能力。それが続ける力・やり抜く力=「グリット」です。ペンシルヴァニア大教授のアンジェラ・ダックワースの研究で明らかになり、翻訳書も日本だけでなく世界各国で話題になっています。本書は、脳科学の見地から、成功のための<最新最高の力・グリット>を解説、どうすれば「続ける脳」を鍛えられるかのメソッドを紹介します。ついにわかった! 「脳と習慣」の真実! 限られた人生で、なにかを成し遂げるために本当に大切なことをコンパクトに凝縮した決定版!…と紹介文に書かれていました。

タイトルには最新とありますが、出版は6年前の本。帯に書かれていた「めんどくさい卒業!」の言葉に惹かれて古本屋さんで購入しました。脳科学者茂木健一郎先生の著作です。

内容は 序1章 結局、続ける人だけが結果を出す
第2章 続ける脳のつくりかた― 意思に頼らない脳活用法
第3章 脳がよろこぶ夢の見つけ方― 多様性とセレンディピティ
第4章 「今、ここ」に集中する力― フロートは何か
第5章 立ち直る力-心が折れたらどうするか
第6章 子どもの持続力を伸ばす― グリット的育て力

本の中にあった「継続力がわかる グリットスケール」のテストでグリット値が低かった私ですが、読み進むにつれ、何とかなりそうな気持になりました。アインシュタインや力士の服部桜さんのエピソードもよかったです。おすすめの一冊です。

2018年1月 SB新書 880円

『 超訳 アドラーの言葉 』 岩井 俊憲 編訳
超訳 アドラーの言葉

「自らを受け入れ、運命を切り拓け」「何を与えられて生まれてきたかではなく、 与えられたものをどう生かすかが大事なのだ」etc. 偉人・名著の超訳文庫シリーズに待望のアドラーが登場!名言集だから、読みやすい。アドラー心理学の入門書にも最適!…と内容紹介されています。

フロイト、ユングと並ぶ「心理学三大巨頭」の一人である、オーストリアの精神科医アルフレッド・アドラーが提唱した心理学は、古くから欧米での人気が高く、『人を動かす』のカーネギーや『7つの習慣』のコヴィーらに影響を与えてきたそうです。「自己啓発の祖」とも呼ばれるアドラーの言葉の数々を、我が国でアドラー心理学を40年に亘り伝えてこられた岩井俊憲先生がわかりやすくまとめてくださいました。アドラー心理学において、誤解されがちな「課題の分離」や「トラウマ」についても取り上げられ、丁寧に解説されています。目次は下記のようになっています。

  1. 「働く」ことの意味 
  2. 人間関係の悩み
  3. 愛・パートナーシップ
  4. 教育において大切なこと
  5. 勇気をもつ 
  6. ライフスタイル(性格)
  7. 人間とは何か 
  8. 劣等感・劣等コンプレックス
  9. 共同体感覚について
  10. 学び、理解したことを実践せよ

「実践の学問」とされるアドラー心理学を日常の生活や仕事、教育に取り入れるための名言が1ページごとに短く解説された文庫本。ページを開くと気持ちが前向きになれるおすすめの一冊です。

2024年1月 ディスカヴァー・トゥエンティワン 1,430円

『 なぜヒトだけが老いるのか 』 小林 武彦 著
なぜヒトだけが老いるのか

人間以外の生物は、老いずに死ぬ。ヒトだけが獲得した「長い老後」には重要な意味があった――。生物学で捉えると、「老い」の常識が覆る!…と紹介されています。

ベストセラー『生物はなぜ死ぬのか』の著者、生命の連続性を支えるゲノムの再生(若返り)の研究をされている小林武彦先生の本。下記のような内容で構成されています。

 

 

  • 産卵直後に死ぬサケ、老いずに死ぬゾウ、死ぬまで子が産めるチンパンジー
  • ヒトは人生の40%が「老後」
  • 長寿遺伝子の進化
  • 寿命延長に影響した「おばあちゃん仮説」と「おじいちゃん仮説」
  • 老化するヒトが選択されて生き延びた理由
  • ミツバチとシロアリに学ぶ「シニアの役割」
  • 昆虫化するヒト
  • 不老長寿の最新科学
  • 85歳を超えたら到達できる「老年的超越」というご褒美
  • 老化はどうやって引き起こされるのか    etc.

生物学者が捉えた「老い」が、これまでの漠然とした老いのイメージを覆してくれました。「老い」は「死」とは違い、すべての生き物に共通した絶対的なものではないという指摘がとても新鮮で、目から鱗が落ちた感じです。“「老いの意味」を知ることは「生きる意味」を知ること”という著者が提言する、「最高の老後の迎え方」を目指したいと思いました。

自分の老いを感じたすべての方に、おすすめしたい一冊です。

2023年6月 講談社現代新書 900円(税別)

『 思いがけず利他 』 中島 岳志 著
思いがけず利他

誰かのためになる瞬間は、いつも偶然に、未来からやってくる。東京工業大学で「利他プロジェクト」を立ち上げ、『利他とは何か』『料理と利他』などで刺激的な議論を展開する筆者、待望の単著! 今、「他者と共にあること」を問うすべての人へ…と紹介されています。

「うさん臭さ」や「押しつけがましさ」、受けて側の「負債感」など、利他という言葉や行為の中に見え隠れするものとは別の、というか本当の利他は、意図せずに「思いがけずにしたこと」が、未来の受け手によって発動した時に生じる。筆者が考える、あくまでも偶然の産物としての利他が説かれています。

巻末に「重要なのは、私たちが偶然を呼び込む器になることです。偶然そのものをコントロールすることはできません。しかし、偶然が宿る器になることは可能です。そしてこの器にやって来るものが「利他」です。器に盛られた不定形の「利他」は、いずれ誰かの手に取られます。その受け手の潜在的な力が引き出されたとき、「利他」は姿を現し、起動し始めます」とありました。

続いて書かれていた「利他的であろうとして、特別なことを行う必要はありません。毎日を精一杯生きることです。私に与えられた時間を丁寧に生き、自分が自分の場所で為すべきことを為す。能力の過信を諫め、自己を超えた力に謙虚になる。その静かな繰り返しが、自分という器を形成し、利他の種を呼び込むことになるのです」という文章が、印象に残りました。
「利他」とは何か、人と人の関係とは何かを考えるきっかけを与えてくれる、おすすめの一冊です。

2021年10月 ミシマ社 1,760円