辻川牧子のホームページ

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今月の一冊

今月の一冊子どもの頃から本が好きで、暇さえあれば読んできました。
毎月一冊、これまでの読書の中で印象に残った本をご紹介させていただきます。

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『 111歳、いつでも今から 』 後藤 はつの 著 

111歳、いつでも今から

73歳の手習いで始めた絵に夢中、80歳代から99歳まで、100号の油絵を描き続ける。100歳を超えてからは、アメリカ旅行、個展、新たに始めた百人一首…。いつも笑顔の111歳!その素晴らしい絵と生き方エピソードを紹介と表紙の袖に書かれていました。

「何かを始めるのに遅すぎることはないわ。やるかやらないかね」と前向きなはつのさんは、とてもおしゃれ。「お会いする方に、元気な姿でお目にかかりたいのです。自分の気持ちも晴れやかになります」と口紅も欠かさずつけておられるとか。(耳が痛いです)

子どもの頃の懐かしい光景が描かれた作品からは、ほのぼのとした温かさが伝わってきます。

自分が逝くときには「笑顔をもって旅立ちたい」と、ほほえみを忘れずに暮らすはつのさん。読み進むにつれ、元気になれるお薦めの一冊です。

2015年2月河出書房新社 1,404円

『 名歌名句辞典 新装版 』 佐佐木 幸綱・復本 一郎 編 

名歌名句辞典 新装版

記紀・万葉から現代の短歌・俳句・川柳までの名歌・名句6,186を集大成。日本の詩歌史の流れを一冊で展望できる。歌謡・狂歌・俳諧歌なども収録。引きやすく、調べやすい作者別・年代順の配列。収載した全作品に歌人・俳人など専門家による充実し斬新な「解説」を付した。鑑賞の手引きに、作歌・作句のヒントに最適…と内容紹介されています。

仕事でたくさんの名歌・名句辞典を手にしましたが、その中でも使いやすく収録数も多い、お薦めの名歌・名句辞典です。

時々パラパラとページをめくり、目にした歌や句を楽しんでいます。

2015年7月 新装版初版 三省堂書店 4,968円

『 道具が語る生活史 』 小泉 和子 著 

道具が語る生活史

ちゃぶ台、提灯、幻灯、むしろ、緋毛氈、加賀暖簾―。時代と風土がはぐくんだ、モノを通してみる異色の文化史…と内容紹介されています。

日本の生活史研究家である小泉和子先生の著書。今はもう使われなくなってしまった道具もありますが、その一つ一つからそれが使われていたころの暮らしや人々の考え方が伝わ ってきます。教科書で習う歴史とは別の身近な、歴史を知ることができます。

人の手によって支えられていた生活の厳しさと力強さも感じられ、今の暮らしを見直す機会にもなりました。お薦めの一冊です。

残念ながら絶版になっていますので、図書館か古書店でお探しください。

1989年4月 初版 朝日新聞社 1,240円

『 やさしくて、あったかい さっちゃんの木版画 』 高橋 幸子 著 
やさしくて、あったかい さっちゃんの木版画

「さっちゃん」は60年もの間、独自の表現を手探りしながら、花鳥風月の木版画に細やかな美と、豊かな感情を込めてきました。そして、多くの人の心に希望と愛を投げかけてきました。花は楚々として愛おしく、擬人化された動物たちの表情にはユーモラスなところ、ペーソス等を感じます。愛情深く刻まれた木版画に同時代を生きた人々への共感が深められており、心にしみいります。地上に降りた天使の木版画でしょうか…と紹介されています。

著者のご近所に住む従兄のお嫁さんからこの本をプレゼントされました。郵便の包みを開けた途端に、素敵な表紙が目に。手に取り、ページを開くと「やさしくて、あったかい」感じがどんどん伝わり、夕食の支度をするのを忘れるほど夢中になってしまいました。
本の紹介文の通りの楚々として愛おしい花々とユーモラスな動物たちの姿、短いけれども、しみじみとした幸子さんの文章に癒されます。ずっとそばに置いておきたい宝物の一冊。

なお、24ページには従兄の家の猫ちゃんたちも登場しています。(^^)
プレントやお見舞いにもお薦めです。

2016年10月 初版 日貿出版社 2,500円+税

『 ひらがなでよめばわかる日本語 』 中西 進 著 
ひらがなでよめばわかる日本語

〈目・鼻・歯〉も〈芽・花・葉〉も、〈め・はな・は〉。文字を〈書く〉のも頭を〈掻く〉のも〈かく〉。太陽も焚き火も〈ひ〉……日本語はひらがなで考えると俄然面白くなる。漢字の影響を外すと日本語本来の形が見えてくる。言葉がわかれば人間がわかる。日本人の心はこんなに豊かだったのかと驚く。稀代の万葉学者が語る日本人の原点。『ひらがなでよめばわかる日本語のふしぎ』改題…と内容紹介されている文庫本です。

「日本は歴史始まって以来、たくさんの外国語を受容してきたので、それらをごちゃまぜにして考えてみても、日本人の基本の考えは、出てこないからです」と述べる中西先生は「仲間ことば」などの用語を使いながら、本来の日本語の姿とそれを使ってきた人々の心について、わかりやすく解き明かしておられます。

幼いころから日々使ってきた言葉のもとの意味を知り、驚き、そして感動しました。
分厚くはありませんが、読みでがある、充実した内容のお薦めの一冊です。

2008年5月 初版 新潮社 464円