辻川牧子のホームページ

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今月の一冊

今月の一冊子どもの頃から本が好きで、暇さえあれば読んできました。
毎月一冊、これまでの読書の中で印象に残った本をご紹介させていただきます。

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2016年の本一覧
『 現代こよみ読み解き事典 』 岡田 芳朗・阿久根 末忠 編著 
現代こよみ読み解き事典

暦に記載されているすべての事項について解説を加えた画期的事典。年中行事、方角の吉凶等生活と結びついた暦を知るための必読書。和風月名・二十四節気・七十二候の由来から難しい暦注の解説まで、暦を完全解説…と内容紹介されています。

暦の基本から、祝祭日、年中行事、記念日、六曜などの暦注、世界の暦など、幅広く、わかりやすく、しっかりと解説されています。たくさんある暦の本の中でも、特にお薦めの一冊です。


1993年3月初版 柏書房  2,718円+税

『 こころの匙加減 』 髙橋 幸枝 著 
こころの匙加減

人生とは、自分の「匙加減」を見つける旅。頑張りすぎず、自分を甘やかせすぎず。我慢しすぎず、他人を頼りにしすぎず。毎日を穏やかに〝ちょうどよく”生きるための40の真理… と帯に書かれていました。

著者は今月100歳になられる現役の精神科医。患者と向き合い、心を寄り添わせてこられた半世紀にわたる経験から得た「迷いすぎて苦しまないためのヒント」がわかりやすく、優しく、そして時に厳しく綴られています。人間関係のヒントや、年を重ねていく上でのヒントに、はっとすることがたくさんありました。

読むと心が温かくなり、同時に、背筋が伸びる感じになります。年配の方にも若い方にもお薦めしたい一冊です。

2016年9月 飛鳥新社 1,100円+税

『 ビギナーズ日本の思想 道元 典座教訓 禅の食事と心 』 藤井 宗哲 著 
ビギナーズ日本の思想 道元 典座教訓 禅の食事と心

食と仏道を同じレベルで語った道元の書『典座教訓』を、建長寺をはじめ、長く禅寺の典座を勤めた自らの体験をもとに読み解く。禅の精神を日常の言葉で語り、禅の核心に迫る…と紹介されています。

以前このコーナーでご紹介した『 旬の禅ごはん 鎌倉、不識庵の台所から 』の著者である藤井まり先生のご主人、宗哲先生の著書。長年、典座(=禅寺の料理長)を務められたご経験をもとに、わかりやすい現代文に書き下ろされています (古文も併載)。残念ながら、執筆途中で亡くなられ、全18章中第10−18章の解説は柿沼忍昭和尚の手によるものです。

料理に興味のある方、禅や日本の文化を知りたい方だけでなく、日々食事をする、すべての方にお薦めしたい文庫本。宗哲先生のお人柄が随所ににじむ、滋味あふれる一冊です。

2009年7月 角川学芸出版 640円

『 ばぁばの料理 最終講義 』  鈴木 登紀子 著 
ばぁばの料理 最終講義

90歳現役最高齢料理研究家から 台所に立つ すべての女性たちへ 「私の料理が命を支えている」…と表紙の帯に書かれています。エッセイに加え、お正月から季節順にテーマを厳選、折々の暦にちなんだメニューとカラーのレシピ約20点も見開きで紹介されています。

上品でやさしい物腰と語り口、初心者にもわかりやすい説明。幅広い年代の視聴者から支持されている「ばぁば」こと、鈴木登紀子先生の著書。NHK『きょうの料理』でもおなじみの著者自らが、遺言として伝えたいと強い意志をもって世に出された本です。

料理のレシピは見ているだけで、美味しそうです。(魚臭さが出てしまい、いつも上手に作れない「ぶり大根」のレシピが載っていましたので、ブリと大根の旬になりましたら料理してみます)
役に立つレシピも、随所に書かれた料理のコツや心得も素晴らしいのですが、何より心に響くのは、「ばぁば」の生きる姿勢です。あふれるばかりの愛情と凛とした覚悟が本全体から伝わります。

女性だけでなく、男性にもお読みいただきたいお薦めの一冊です。

2014年7月 小学館 1,512円

『 100年前の女の子 』  船曳 由美 著 
100年前の女の子

明治42年、上州カラッ風の吹く小さな村に生れた寺崎テイ。生後1カ月で実母と引き離され、100年を母恋いと故郷への想いで生きた。新緑の茶摘み、井戸替え、養蚕。お盆様から月見、コウシン様から鮒の甘露煮で迎えるお正月様へ。厳冬のごぜ唄と寒紅売り。鮮やかなテイの記憶が綴る日本の原風景。珠玉の高松村物語…と内容紹介されています。

日本各地の民俗や伝統行事に造詣の深い著者が、米寿を迎えた実母の少女時代を聞き書きしたもの。2010年に刊行されて以来、多くの人々に感動を与えてきた本が文庫になりました。関東平野の小さな村で、けなげに生きるテイという女の子と周りの人々の暮らしが、いきいきと綴られています。厳しいなかにも温かみがあった当時の暮らしがページを追うごとに伝わり、物の豊かさだけでは測れない幸せが、昔の日本にはあったような気がしました。

若い方は新鮮な驚きを、年配の方は懐かしさを感じられると思います。あらゆる世代の方々にお薦めしたい一冊です。

2016年7月 文春文庫 842円

『 日本人の一生 』 牧田 茂 著 
日本人の一生

日本人のタマ=魂は、遥か海の彼方の妣が国からやって来る。誕生・成人・結婚・死生。私たちの一生は、その折節を特有の通過儀礼によって区切られている。神を祭り神に祈り、季節の行事や共同体の習俗に従って生きる。そしてタマの帰るときが来れば、残した者たちの「御先祖」として永生の時を得ることを至上の望みとした。本書は、そのような日本人の哀歓にみちた一生をトータルに描き出している…と内容紹介されています。

柳田國男と折口信夫から直接教えを受けた著者が、さまざまな折り目ごとの儀礼を取り上げ、日本人の一生をわかりやすい文章で説かれています。私たちの先祖がどのように考え、どのような思いで生きてきかを知ることができる貴重な一冊です。

残念ながら現在は絶版になっていますので図書館か、古本屋さんでお探し下さい。

1990年2月 講談社学術文庫

『 美しい日本語の辞典 』  小学館辞典編集部 編 

美しい日本語の辞典日本人として知っておきたい懐かしい日本語2100語を収録。適宜、著名な文学作品や歌舞伎、落語などの用例を添えました。「雨の名前」「風の名前」「雲の名前」「雪の名前」「空の名前」など自然と深い関わりのある美しい日本語を、和歌・俳句などの実例とともに収録しました。日本語を特色づけていることば「擬音語・擬態語」を「あいまい」「すべる」「笑う」など、様子・状態別に分類して示しました。…と内容紹介されています。

短く、わかりやすく解説されていますので、読み物としても楽しい辞典。カラー口絵「日本の色」117色も役に立ちます。味わい深い日本語を再確認することができるお薦めの一冊です。

2006年3月 小学館 2,160円

『 日本食の伝統文化とは何か 明日の日本食を語るために 』 橋本 直樹 著
日本食の伝統文化とは何か 明日の日本食を語るために

長い時間をかけて様々な国の文化を吸収し独自の伝統文化へと昇華した日本食。しかし戦後、食文化が国際化したために、伝統的な日本食と在来の食事光景は揺らいでいる。歴史を辿ることで日本食を捉え直し、かつ今後の食の在り方に論及する――と内容紹介されています。

近年、和食が見直されていますが、知っているようで知らないその歴史がわかりやすく説明されています。食に関する知識を得られるだけでなく、副題の通り、これからの日本食を考える上でも役に立つ一冊だと思います。

「国内の農業、漁業、畜産業を再生して国民の食料を少しでも多く確保し」、「行き過ぎたグルメ飽食を自粛して、健康によい伝統食を活用し」、「家族や友人と仲良く食べる」という日本の食の原点に回帰しなければならないと思う―― という著者の結びの言葉が心に残りました。

2013年11月 雄山閣 2,600円+税

『 今日が人生最後の日だと思って生きなさい 』 小澤 竹俊 著
今日が人生最後の日だと思って生きなさい

「人はどう生きればいいのか」、「どういう死が満足できるものなのか」2800人の看取りを通して、学んだ「後悔のない最後を迎える」ための生き方を教えます。今を生きる上での悩みや苦しむあなたの支えとなる一冊…と内容紹介に書かれています。著者はホスピスの医師です。

わかりやすい言葉で綴られた、薄い本。ただ内容は深く、重いテーマでありながら 読み終わると気持ちが軽くなります。自分にとって大事なものが見えてきて、こまごました迷いが消え、元気になれます。これからも手元に置いて、読み続けたい本です。

2016年1月 アスコム 1,080円

『 江戸っ子歳時記 』  鈴木 理生 著 
江戸っ子歳時記

年中行事と祭りにみる江戸・東京の風俗と暮らし。よみがえる江戸っ子・下町っ子の春夏秋冬の原風景。四季の暮らしのわかる本…と内容紹介されています。

都市史研究家の鈴木理生先生の著書はどれも読み応えがありますが、その中でも好きな本です。タイトルに歳時記とついていますが、俳句の季語とは関係なく季節ごとの江戸から昭和の下町の暮らしが取り上げられています。一地方としての江戸や東京が好きな方や落語好きの方には特にお薦めします。昔、父が「泳ぎに行った」と話していた隅田川の水練所の話も登場していて、ちょっと嬉しかったです。懐かしくて、面白い一冊です。

2008年11月 三省堂 1,800円

『 漢詩への招待 』  石川 忠久 著 
漢詩への招待

中国の詩を「漢詩」と呼んで、日本人は永く愛誦してきた。文学・書画など、わが国の文化に与えた影響も大きい。三千二百年に亘り途切れることなく続いてきた「漢詩」―現代日本人が忘れかけているこの“詩情の宝庫”から、時の流れに沿って百四十余首を採りあげ、その醍醐味を漢詩研究の第一人者が分かりやすく説きあかす…と内容紹介されています。

いつも手元に置いているわけではありませんが、時々読みたくなります。高校の授業で習ったものも幾つか載っています。石川忠久先生の漢詩に対する情熱と愛情があふれた、わかりやすい入門書。ページを開くと瞬時に漢詩の世界が広がるお薦めの一冊です。

2005年10月 文春文庫 700円

『 匠の国日本 』   北 康利 著
匠の国日本

匠=職人。その熟練の技は、神話の時代から感動と尊敬の念を人々にもたらしてきた。日本酒、漆器、和紙、金箔、人形、花火…精魂込めた「本物」を生み出す彼らの姿は、私たちが忘れてはならない「ものづくり」の喜びを教えてくれる。世界でも有数の伝統は、最先端の技術と共存しながら、今なお受け継がれている。そして、そうした精神こそが日本の尊き美質であり、これからも国を支えてゆく礎となるのだ。地道な努力を厭い「楽して儲けたい」という現代の風潮を憂う著者が、日々研鑽を重ねる職人たちに迫った…と内容紹介されています。

「職人は国の宝、国の礎」というサブタイトルに惹かれて、手に取りました。昔は職人さんを大事にし、物も丁寧に使っていたと思います。物づくりの歴史や匠達の技術の凄さ、何気なく使っている物がどう作られるかなどが分かりやすく説明されています。「手間暇惜しまぬ」、「丹精」や「精進」といった言葉が心にしみました。人と物のかかわりをもう一度見直すきっかけにもなるお薦めの一冊です。

PHP新書 2008年1月 720円